アメリカで夫婦生活が上手くいかなくなったとき、というか、それこそ原因は何であれ、一人で辛くてしょうがないとき、そういう時にはカウンセリングのドアを叩いてみるのをオススメします。私自身、カウンセリングがなかったら、あの辛い時期はもっと辛いものになっていただろうし、最終的な乗り越え方も結果も全然違っていたものになっていたと確信しています。
日本ではカウンセリングというと、どうしてもまだ抵抗がある方も多いようですが、アメリカでは風邪を引いて医者にかかるくらいの気軽な気持ちで構えずカウンセリングに行っている人が多いです。また、自分がカウンセリングにかかっていることを公言する人も非常に多いです。
アメリカでカウンセラーとして仕事をするには、州ごとに定められたライセンス取得が必要だそうです。そしてそれを維持するためには定期的にフォローアップの試験を受けることも義務づけられているようです。また、カウンセラーによって特定の部門に特化したカウンセラーも多いです。(依存症、家族問題、結婚生活、など)
私はアメリカで合計5人ほどのカウンセラーと会いました。カップルカウンセリングもやりました。その中で継続してセラピーに通ったのは二人。お医者さんでもみんな腕が違うように、カウンセラーも本当に様々です。カウンセラーの場合、腕、いわゆるスキルもありますが、それに加えて相性という非常に重要な要素が合わなければ、そもそも安心、信頼して話もできないので、セラピスト選びは難しいのが現状です。
一番いいカウンセラーに会う確率が高いのは、知人、知り合いから紹介してもらうことだと思います。自分と性格や感性が合う人がオススメするカウンセラーとは、合う確率も高くなると思います。私も実際、私のカウンセラーを知り合い五人に紹介して、みんな彼女のクライアントになりました。
私の場合、いずれもカウンセラーを探したのが引っ越したばかりの見知らぬ土地であったため、とりあえずオンラインのレビューを頼りに探しまくりました。ただ、カウンセリングはやはりパーソナルな問題のため、なかなか口コミを残す人の数もレストランの口コミのようには行かず、また、内容もざっくりしたことしか明記していないため、難しかったのを覚えています。
ある程度数を絞ったら、後は勇気を出して会いに行きました。アポを取る際に、自分の加入している保険が適応になるか、料金はいくらくらいになるか、を尋ねるといいと思います。私の場合は保険の適応後は1時間25ドル程度だったと思います。毎週、一年間通い続けましたが、私は1時間25ドルの何倍もの価値のあるものだったと感じました。ちなみに保険が適応にならないと、1時間で軽く100ドルを超えてしまうこともあるので気をつけた方がいいと思います。
もし会って話してみて、合わないな、なんかしっくりこないな、と思ったのであれば遠慮せずに次のカウンセラーを探すことをオススメします。私が個人的にカウンセラーに求めたのはまずコンパッションがあること。そしてフィーリングが合うこと、客観的に状況を把握し、私の分かるようにプロの立場から説明、アドバイスしてくれること、最後に、私のためになることであれば厳しく導いてくれること。でした。なかなかすぐには合うカウンセラーは見つからないかもしれませんが、見つかるまで粘り強く探し続けることが大事です。私の知り合いで2,3年程同じカウンセラーの元に通っていたのですが、あまり効果を感じられず、思い切ってセラピストを変えた途端、私から見ていても状況が変わり始めた方がいます。それほどいいカウンセラーは影響を及ぼすことができる存在だと私は実感しています。
もし万が一、パートナーから暴力(DV)を受けている場合、若しくはメンタルアビュース、エモーショナルアビュース(言葉や威圧などによるハラスメント)を受けている場合には無料でサポートを受けられる機関があります。相談の内容はもちろんコンフィデンシャル。200カ国語に対応しており、フリーダイヤルの他にチャットにも対応しているようです。被害者本人でも、被害者を知っている家族、知人が相談をしたい場合にも対応してくれています。この辺りのサポートがアメリカはすごいなと思います。それほど事態が深刻と言うことなのでもあるのでしょうが。
また、全てのカウンセリングオフィスで対応しているのかどうかは定かではないのですが、肉体的、精神的苦痛を与えられている被害者のカウンセリングのために、国(州かも)が助成金を出してサポートをしているケースもあります。それに対応しているカウンセリングオフィスであれば、もし保険を持っていなくても無料でカウンセリングが受けられる場合もありますので、問い合わせてみる価値はあると思います。
一人で孤独に悩むほど辛いことはありません。私も十分に経験しました。いいカウンセラーに出会うと、話を聞いてもらえるだけでなく、客観的な立場からプロの知識を用いてアドバイスがもらえます。自分が渦中にいると見えなくなっていることが見えてくることも多いです。過去の自分のどんな経験がどのように影響して現在の自分を作り出しているのか、などという、今までは考えも及ばなかったことが見えてきたりします。自分のパターンを学ぶことにより、今後の助けにもなります。
私は一番ひどい時期には、精神的にダメージのある出来事に襲われた際には、先生に連絡して緊急セッションを開いてもらったこともありました。(週一で通っているのにもかかわらずw)それほど頼りにしていましたし、あの先生がいるから今日の私がいると思っています。もしアメリカで孤独に苦しんでいる方がいれば、ぜひカウンセリングを試していただきたいです。都会であれば日本語対応のカウンセラーもいますし、多少英語が苦手でもいいカウンセラーの先生であれば根気強く寄り添ってくれると思います。