前回メンタルクリニックに日本で初めて通ったので、今回はセカンドオピニオンを求めて別のクリニックへ。
ここは知り合いの知り合いがお世話になってかなりいいという評判。
期待も高まります。
まず電話でアポ取り。
例のごとく、アメリカのように一か月先、とかではなく一週間先に予約が取れました。
当日クリニック訪問。
待合室はこだわりの家具を置いている感じでおしゃれ。大スクリーンの画面ではどこかの花火大会の花火の打ち上げ映像が流れています。延々と打ち上げられる花火を見てちょっと癒されます。こういうちょっとしたところにクリニックのこだわりを感じますね。
待っている人が次々呼ばれて診察室へ入っていきます。
でもみんな10分もしないで出てきて、受付に呼ばれてお金を払って帰っていく。
やはり薬処方がメインなのかな、と既に感じます。
実際に名前が呼ばれて診察室に入ると、ちょっと強面のドクターがお出迎え。
このドクターは全く個人的感情、出来事に触れません。
ひたすら現状の身体、パニック状態の身体の状況を聞き、それに見合った薬を処方しようとしているよう。
そこで先生が気づきます。
「おや、あなたはアメリカでカウンセラーを受けていたのですね?」
と。
そこからはひたすら先生からの質問。
「どんな療法がおこなわれて、あなたはどう感じたんですか?それに対してどんな処置が行われたんですか?効き目は?」
など。逆に先生が興味津々。
で、一通り話した後に、先生に、
「私、鬱でしょうか?」
と聞いてみると「アメリカのカウンセラーは何て言った?」と聞かれ、私のアメリカのカウンセラーは、私が最悪の状態で門を叩いた時に、「その傾向はあるけどあなたは鬱ではない」と言われたと言うと、「私も同じ意見です。その傾向はなくもないけれども鬱ではないと思います。」と。
数日前に通った病院では同じ情報を提供しているのにもかかわらず、「あなたは間違いなく鬱」という判断。
この二つの違いは大きい。実際処方された薬も調べて比べてみましたが前者の先生は強くて常習性があるとネットでは書かれているものを、後者の先生はそうでないものをごく少量だけ処方していました。
すごい違いですね。どこに行くかによって。だから病院、特に神経科は慎重に選んだほうがいいのかな、と思いました。
今回のドクターは、私がアメリカのカウンセリングでどんな認知行動療法を習っていたということを知ると、「今は切羽詰まっていてそれどころではないでしょうが、認知行動療法を学んでそのスキルを身に着けているのであれば、薬の力を借りて、今のつらい時期を乗り越えれば、徐々に自分でコントロールできるようになるから大丈夫でしょう。」ということでした。
先生になぜ日本ではカウンセリングではなく、薬の治療が主なのかを聞いてみると、「日本はカウンセリングに保険は余程でないと効かないからね。だから一時間一万円近くするカウンセリングに何度も通うよりも、どうしても保険の効く薬で辛い状況を乗り越えようという志向になりがちだ。」とおっしゃってました。
保険が大きいキーらしいです。
アメリカの医療保険事情はひどいですが、精神の病については日本よりも進んでいて、カウンセリングが実際の病の回復に効果があると認められているのかな、と思いました。
アメリカではカウンセリングはほとんどの保険機関により保障されていて(カバーされるカウンセリングオフィスとそうでないものはあります)、2-3割負担で済むので、一時間25ドルほどで受けられていました。(個人差があります)
日本でも政府からの補助を受けられるカウンセリング制度(自立支援医療?)があると聞きましたが、そんなに一般的にみんなが日常的に使っているものではないのですね。
カウンセリングでは自分の生い立ちや人生、家族などを振り返り、自分がなぜ今の状況にいて、どのようにしたら苦境から立ち上がれるのか、を話し合い、実践していきます。それに対して薬処方だと一時的には楽になるかもしれないけれど(そしてそれが必要な状態も絶対にあるだろうけど)、対処法というのは身に付かないのかなぁと感じました。
辛い時期、あまりに暗く、ネガティブなことばかり言っているとそれを聞く周りの人も疲れてしまいます。それをカウンセリングというオフィシャルに弱音を吐いても許される環境で、プロに聞いてもらい方向修正をしてもらえるのは非常に心強いです。私の先生は毎週決まった時間にアポがありますが、もし何か突発的に事件があり精神が乱れた場合には連絡すると時間を作る努力をしてくれていました。私の心の拠り所でした。
日本でもきっとそういうニーズはあると思うので、もっとカウンセリングが一般的になればいいなと思いました。