昨今世の中が大変なことになっています。
国際離婚をし、10年離れた日本に帰ってきて一からのやり直し。
自分の生活が激変したこの6ヶ月間。
そんなことさえも小さく思えてしまうこの状態。
アメリカの友人、日本の状況、いろいろ思うことがあります。
ここ最近、アメリカで通っていたカウンセリングオフィスからメールがよく届きます。
メールはアメリカが外出禁止令を出したあたりから来始めました。
最初のメールは、外出は出来なくてもカウンセリングはウェブキャムで行うことが告知されていました。
彼女たちの患者さんはメンタル的に辛い状況にいる人たちです。
こんな非常事態には余計にプロのサポートが必要なのは容易に考えられます。
そこから数日後には、このウィルスのせいで仕事を失ってしまって保険がない人にも無料でカウンセリングをオファーする旨がメールで告知されていました。(恐らくこれまでクライアントだった人に向けてのサービス)
アメリカは日本と違って、健康保険を持つにはフルタイムの仕事が必要です。
あ、違いますね、支払える金額範囲での健康保険を持つにはフルタイムの仕事が必要、ということです。私の周りでもパートだから、休職中だから、と健康保険を持っていない人、持てない人、はそこら中にいました。オバマ政権が国民皆保険を目指しましたが成功しませんでしたよね。
保険がなければカウンセリングは1時間1~2万円してしまいます。
失業中にそんな額を払えるわけがありません。
特にカウンセリングは一回診てもらって終わり、ではないから余計にです。
国からそういう患者を受け入れる補助が出たのか、若しくはどこかの団体、寄付者から補助が出たのか、それともカウンセリングのオフィスが負担して行っているのか、それは分かりませんが、先生たちが患者を救おうと必死なのが見て取れます。
このメールを見て、先生のことを考えると泣けてきました。なぜなら、私も同じように先生に救っていただいた経験があるからです。それはまた機会があればお話します。
そんなこんなで、先生のことを考えることが多い今日この頃。そこで他愛もない話ですが先生との出会いについて。
あれは2018年の夏、私が当時の旦那の転勤に伴って引っ越した新しい土地での話です。
それまでにもその前に住んでいたところでカウンセリングに何ヶ月か通っていました。新しい土地に来て、新しいスタート。
もうカウンセリングはいらないんじゃないか、新しいスタートだし、頑張って行くし!と思っている矢先にある出来事が起こり、一人では対処できなくなりました。(早)
数日間苦しんだ結果、カウンセリングに行くことに。例によって通える範囲でカウンセリングオフィスをググりまくります。今でもあのときの光景が鮮明によみがえります。今度の土地は大都市。出てくる検索結果数も半端ではありません。その中からそこそこ(頼りないけど)まともなレビューがあり、そして今日、そう、今日!受け入れてくれるところを探しました。(それくらい切羽詰まってた)
結果、当てはまるオフィスはたった一つ。車で20分、悪くない!早速オンラインで空いている先生にアポを入れます。最後の一人だった!よかった、今日誰かに話を聞いてもらえる。藁にもすがる思いでした。
夜7時のアポでした。大体そこまで遅くやっているカウンセリング自体珍しい。(最後のアポは9時)初めて運転する道柄。うーん、微妙なエリアだなあ、そんなに安全っぽくもないなあ。と思いながら車を停め、待合室に入ります。受付には誰もいません。でも小さいカウンセリングオフィスは大体受付の人を置かないので、勝手に待合室で待ち、自分の先生が前のクライアントとのセッションを終わらせて出てくるのを待つものです。
しばらく待ちました。もうすぐ8時。おかしいな。
と思ったところ、ドアが開いて先生らしき人とクライアントが出てきました。クライアントは挨拶をして出て行き、その先生が私に誰を待っているのか訪ねました。待っている先生の名前を伝えると、彼女は言いました。
あら、ごめんなさいね。彼女は家族に急な不幸があったので今日仕事に出ていないの。
がーん。そうか、そんな上手くはいかないよな。今日誰にも話を聞いてもらえないのか。。。
唯一の希望がなくなりました。しょうがない、帰ろう。その時彼女が言いました。
私、次のクライアントのキャンセルが出ているからあなたのインテイク(初診)やってあげるわよ。
それが先生との出会い。
正直に言うと、あぁ!助かった!と思う気持ちと相反してちょっと複雑な気持ちがありました。言うのも恥ずかしい話ですが、それは彼女が黒人女性だったから。
黒人の人に私の文化とか考え方が分かってもらえるのかしら。。。という不安がありました。
よく考えると、白人だって日本人ではないのだから私の文化や考え方が分からないのは当たり前。実際私の以前のカウンセラーは白人で、悪くはなかったけれども、この人にサポートしてもらった!という感覚はありませんでした。まあまあだったなって感じ。
私が今でもしょっちゅう連絡を取り合うアメリカの友人(元同僚)は黒人だし、自分が差別するなんて、と思っていましたが、今考えるとそういう偏見があったということは否めないし、自分でも今振り返って恥ずかしいな、愚かだったな、とよく思います。
こういう経緯で、私はこの先生のクライアントになったのです。蓋を開けてみると、彼女はこのカウンセリングオフィスのオーナーで、新規のクライアントは受け付けていないくらい人気のカウンセラーでした。普通に新規で彼女のアポを取ろうと思ったらウェイティングリスト待ちです。
そんなセラピストとたまたま出会え、彼女のクライアントになれたのです。そこから約1年2ヶ月。毎週毎週欠かさず通いました。カップルセラピーをやっていたときは個人セッションと合わせて週二回。彼女には後々、本当にあり得ないほどのコンパッションでサポートしてもらうことになります。今考えても、彼女がいなかったら今の私は今のようではないだろう、いえ、間違いなく今の状態にはいられませんでした。人生でそんな風に影響を与えてくれる人って中々いませんよね。そんな仕事をミッションとし、奮闘する彼女を私はいつの日か、訪ねていくことが目標です。
元気になってしっかりやっているの。あなたのおかげです。本当にありがとう。
そう伝えるのが私の目標です。あー、書いていても泣けてきちゃう。
私は本当にいろんな意味で恵まれています。この先生との出会いもその一つ。だから、しんどいことがあっても、感謝する気持ちを忘れずに、自分でコントロールできることは努力するしかないのです。先生、ありがとう。(ちなみに先生ね、真っ赤なドレッドヘアーですw)